ボーナスや還付金、保険金、売却代金、臨時の報酬など、普段の収入とは別にまとまったお金が入ることがあります。そんなとき、「せっかくだから何か買おう」「今まで我慢していたものに使おう」と考えたくなることがあります。
もちろん、使うこと自体が悪いわけではありません。ただ、普段と違うお金ほど、普段とは違う判断をしやすくなります。
臨時収入は、入った日に使い道を決めなくてもいい。まとまったお金に「待つ時間」を入れ、残す・戻す・使うの3つへ分けて考えると、その場の勢いだけで動かしにくくなります。
臨時収入は「余ったお金」とは限らない
まとまったお金が入ると、普段より自由に使えるように感じます。しかし、そのお金には役割がある場合があります。
- 不足している生活予備資金を補う
- 先延ばしにしていた修理や交換に戻す
- 将来の大きな支出に備える
- 仕事や学びへ使う
- 旅行や趣味など、今の経験に使う
つまり、臨時収入は単なる「好きに使えるお金」ではなく、今の配分を立て直す機会にもなります。何に使うかを考える前に、今の暮らしのどこが不足しているのかを見ることが先です。
まず、使い道を決めずに少し置く
まとまったお金が入った直後は、買い替えたいもの、行きたい場所、始めたいことなど、いくつもの候補が浮かびます。だからこそ、急がなくてよいお金なら、その場で全部の使い道を決めずに一度置きます。
お金が入った日と、使い道を決める日を分ける。数日でも間を置くと、「欲しかったもの」なのか「本当に必要だったもの」なのかが見えやすくなります。
金額が大きいほど、一回の判断で全部を動かさない方が安全です。まず必要な支出を確認し、次に残す分を分け、最後に使う分を考える。判断を段階に分けるだけでも、衝動的な配分は減ります。
「残す・戻す・使う」の3つに分けて考える
臨時収入の使い道を、最初から細かく決める必要はありません。まずは「残す・戻す・使う」の3つに分けると整理しやすくなります。
残す
今すぐ使わず、将来の選択肢を残すためのお金です。生活予備資金や、大きな支出への準備などがここに入ります。
戻す
家計が厳しい時期などに削っていた支出を、必要な水準へ戻すためのお金です。修理や交換、健康管理、住環境、仕事道具、学びなど、後回しにしていたものを見直します。
新しい支出を増やす前に、必要だった支出を戻す。それだけでも暮らしはかなり整います。
使う
今の満足や経験のために使うお金です。旅行、趣味、外食、欲しかったもの、人と過ごす時間などが考えられます。
全部を残す必要も、全部を使う必要もありません。3つへ役割を分けることで、貯めるか使うかの二択から離れられます。
割合より「今、何が不足しているか」で決める
「何%は貯蓄、何%は投資、何%は消費」と決める方法もありますが、毎回同じ割合が合うとは限りません。生活予備資金が十分なら残す割合は小さくてもよく、家電が壊れかけているなら「戻す」を優先することもあります。
欲しいものが複数ある場合は、一度リストにしてから、今必要か、半年後でもよいか、何年使うか、他の方法で代用できるかを見ます。欲しい順ではなく、今使う価値が高い順へ並べ直します。
また、今後数か月から数年の間に、車検、住宅修繕、家電の買い替え、旅行、学費などの大きな支出が見えているなら、その分は先に分けておきます。まだ支払っていなくても、用途が見えているなら、すでに「使う予定のお金」です。
一度きりのお金で、毎月の固定費を増やしすぎない
臨時収入が大きいと、普段なら選ばない価格帯の商品やサービスに目が向くことがあります。しかし、お金が入ったことと、その支出が必要なことは別です。
特に注意したいのが、一度きりの収入をきっかけに、毎月続く支出を増やすことです。新しいサブスク、会費、維持費がかかる商品、長期契約などは、翌月以降も負担が残ります。
一度きりのお金は、一度きりの支出と相性がよい。継続費用が発生するものを選ぶなら、普段の収入だけでも維持できるかを確認しておきます。
高額なものを買う場合も、購入価格だけでなく、使う年数、使用頻度、維持費まで含めて考えます。まとまったお金があるから高いものを選ぶのではなく、長く使う価値があるかで判断します。
「まだ決めない」を残してもいい
臨時収入が入ると、全額の使い道を決めたくなることがあります。しかし、一部だけ決めて、残りはそのまま置いても構いません。
たとえば、必要な支出だけ先に戻し、一部を将来用に残し、残りは一か月後にもう一度考える方法があります。使い道が決まっていないお金を、無理に配分しない。「まだ決めない」も一つの配分です。
また、まとまったお金を普段の生活費と同じ口座に混ぜたままにすると、何に使ったか分からないまま少しずつ減ることがあります。必要なら、用途が決まるまで別に分けておくと管理しやすくなります。
なお、毎年ほぼ同じ時期にボーナスや還付金、副収入があるなら、それは完全な「臨時」ではありません。ある程度予測できるお金は、最初から年間の配分へ入れておく方がぶれにくくなります。
臨時収入が入ったときの6つの問い
- 今すぐ使い道を決める必要があるか。
- これまで削っていた必要な支出はないか。
- 近い将来に大きな支出予定はないか。
- 欲しいものは、本当に今使うものか。
- 一度きりの収入で固定費を増やそうとしていないか。
- 一部を「まだ決めない」と残せないか。
この6つを確認すると、まとまったお金を一度に動かさずに済みます。臨時収入だから特別なことをするのではなく、今の暮らしとこれからの予定を見ながら、必要な場所へ順番に配分していきます。
まとめ|まとまったお金ほど「待つ時間」を配分する
臨時収入が入ると、普段より大きな選択ができます。だからこそ、すぐに全部を決める必要はありません。
まず少し置き、残す・戻す・使うの3つに分ける。今不足しているものを見て、将来の支出を確認し、継続費用が発生するものは慎重に考える。そして、まだ決められない分はそのまま残します。
お金が入った瞬間に用途を決めるのではなく、判断するまでの時間も一緒に確保する。臨時収入に「待つ時間」を入れると、その場の勢いではなく、今と未来の両方へ配分しやすくなります。

